東京 JAZZ FESTIVAL 2017 9.1~9.3

 昨年まではJR有楽町駅近くの国際会議場で行われいたが、第16回東京ジャズ・フェスティバルは、渋谷で行われた。今年も数ケ月前からに息子がチケットを手配してくれた。 今回はお目当てのロンカーターと渡辺貞夫のステージがあり良い席を確保したというので、9月3日に楽しみに出かけた。

 左のマップのようにNHKホールを中心に9ケ所の会場にステージが設けられたジャズフェスティバルである。17時からのステージであったが、野外ステージも見学しようと昼頃には代々木公園ケヤキ並木通りの会場に着いた。

 会場に向かう途中で適当なお食事処が見つからず、とりあえずコンビニでおにぎりとお茶を仕入れて会場のベンチで食べた。

 ところが会場にはいろんな出店があったので、ピザを買い求めた・・・ただ、お客が列をなし、焼き上がるまで20分ほど待たされた。お店も気合を入れて焼いたらしくピザには黒焦げの跡もあったが、生ビールを呑みながら食べたピザは美味かった。

 これまでTVでお見かけしたNHKの大きなマスコットキャラクターが出迎えてくれた。

私もエビデンスのために写真を撮っても貰ったが、それは縫い包みよりも大きいようだ。

それからジャズの聞えてくる方に歩いて行くと大勢の人が集まっていた。今どき背の高い人が多く、肩越しにステージを垣間見た。

 すぐ近くで背の高い外人が女の子を肩車で見せていた・・・その女の子と母親は日本語で、その女性は旦那さんと英語で会話、何とも微笑ましい光景。

 ケヤキ並木通りに賑やかな管楽器の音が響いてきた。早稲田大学のニューオリンズジャズクラブの演奏だ。ジャズ発祥の地ニューオリンズでは、葬儀にはジャズで死者を送る習わしがあるという。確かに演奏楽器は、そのまま行進できるものばかりだ・・・

 このバンドも最後の曲目は「聖者の行進」であった。やはりデキシーランドジャズは野外演奏に向いているようだ。

 私も二度ほどニューオリンズに行ったことがある。その時、船の両脇に付いた大きな水車で動く遊覧船に乗り、その船上でジャズを聴いた・・・

 ゆったりと流れるミシシッピー川を眺めながら聴いたバンジョーの響きが今でも耳に残っている。 

 暫くするとケヤキ並木通りの入口の方から楽隊が行進してきた。多くのフアンを引き連れての行進は、益々お祭りムードを盛り上げてくれた。このジャズバンドの目的地は、早大ニューオリンズジャズクラブが演奏した野外ステージであった。これは次のステージの宣伝で、彼らはステージの準備にかかった。

 17時の開場時刻が近づいたので、NHKホールに向かった。

 NHKホールと言えば毎年紅白歌合戦や歌謡ショーなどでお馴染みの会場ではあるが、これまで中に入ったことはなかった。あの紅白歌合戦の派手な舞台を想像しながら、開場時刻を待った・・・

 開場を待ちかねたジャズフアンが長い列を作っていた。息子に「指定席だから並ばなくてよいのではないか。」と問いかけると、早く入場してCDやグッツを探すのだという。

 入場してみると意外と広いロビーで、くつろげるスペースとなっていた。息子はCDの物色に夢中であったが、私は助六寿司を買い求めた。これが中々美味しかった・・・ 

 ホールに入るとSS席と言うことで、前から4列目で好い席であったが、ステージに向かって左がの並びであった。ところが、斜めからの眺めは、プレイヤーが重ならず全容を見渡すことができた。ステージの飾りもケバケバしさはなく、シックで大人のムードを醸し出す落ち着いた感じであった・・・

1stステージ:ロンカーター・カルテッド

 ロンカーターのベースを始めて聴いたのも10年ほど前の東京ジャズであった。その頃、付き添いを必要としていた息子が、どうしても東京ジャズを見たいというので東京国際ホーラムへやって来た・・・その時ロンカーターのベースを聴いて、その低音でお腹に響いてくる男性的な音が好きになってしまった。それがきっかけでベーシスト鈴木良雄(Chinさん)のフアンになった。鈴木さんも日本のChinカーターだと冗談を言うほどロンカーターをリスペクトしていた・・・

      <右:ロンカーター>
      <右:ロンカーター>

 流石に歳を重ねた感じはしたが、ベーシストのロンカーターが登場すると大きな拍手が湧きおこった。やはりジャズ界のレジェンドにはオーラがあり、その音色は懐にスゥーッと入ってくる感じで、最初の音を聴いただけで思わす息を呑んだ・・・

 極めつけはベースソロの曲であった。その曲は盟友ジム・ホールに捧げる大切な一曲と紹介して演奏された。目を閉じて盟友を想い出し、心に去来する演奏者の想いが伝わってきて、音楽の力は言葉を超え感情にダイレクトに訴えかけてくることに改めて凄さを感じた・・・ 

   <ドラマー:川口千里>
   <ドラマー:川口千里>

2ndステージ:川口千里 TRIANGLE

 20歳の女子大生ドラマーで世界一速く叩くと評判のドラマーの登場である。

 確かに、若いエネルギーが爆発するようなドラミングは驚異的であったが、その激しさ故に、どの曲目を聴いていても私には、皆同じに聴こえてきてしまった・・・

 選曲が良ければと感じた。

3rdステージ:渡辺貞夫 CALIFORNIA

       SHOWER 2017

 

 満員の観客は、やはりこの人の登場を待っていた・・・とうに80歳を超えているはずの渡辺貞夫さんは、背筋をぴんと伸ばしスタスタと登場すると会場から割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こった・・・

 そして「今年は、初めてジャズが録音されてから100年ということなので私も古いアルバム「1978年‐CALIFORNIA SHOWER」からお送りします。」と挨拶した。そのメンバーは、ピアノ:デイヴ・グルーシン、ギター:リー・リトナー、ドラム:ピーター・アースキン、初参加ベース:トム・ケネヂィ

と、殆ど40年前のアルバム制作当時メンバーが集まったのだ・・・

 こうして渡辺貞夫さんは、デイブ・グルーシンのプロデュースで世界的ヒット作品を数多く出している盟友だけあって、往年のファンの盛大な拍手に包まれて終始素晴らしい演奏を繰り広げた。

 特に最後の曲は、美しいピアノのメロディをデーブが、イントロを崩して弾いてだんだんと元の曲が分かってくる仕掛けで、東日本大震災のテーマ曲『花は咲く』を演奏して貞夫さんのサックスの暖かい音色に感動して思わずウルっときてしまった。復興への想いを忘れてはいけない、頑張れ東北とメッセージを貞夫さんだけではなく国境を越えた音楽の仲間が伝えようとしてくれた。凄いことだなぁと思った・・・

 メンバーの挨拶に観客は、スタンディングオベーションで、大喝采だった。その拍手が鳴り止まず、とうとう舞台袖から渡辺貞夫さんが戻りアンコールに応えてくれた。アルトサックス一本でマイクなしの綺麗な音だけが、観客席に朗々と響き渡り観客は皆んな立ち上がったまま、身動きもせず聴き入った・・

 皆が皆、大満足のステージであった。みんな黙ったまま出口へ向かってあるいた・・・その人混みの中で、メガネを外してそっと涙を拭っている若い男性をみかけた・・・私も再びこみ上げてくるのを押さえることができなかった。

 

  <セットリスト>

  1. ORANGE EXPRESS
  2. BUTTERFLY
  3. TREE TOPS
  4. SONGOMA
  5. ALL ABOUT LOVE
  6. STRAIGHT TO THE TOP
  7. CALL ME
  8. I THOUGHT OF YOU
  9. CALIFORNIA SHOWER
  10. CHEGA DE SAUDADE
  11. TEMBEA
  12. LIFE IS ALL LIKE THAT
  13. 花は咲く
  14. EN. CARINHOSO

 

 外に出た時には、もう22時にほど近い時刻になっていた。帰りは渋谷までバスで行くことに決め、バス停に急いだがすぐ直前で満員となったが、待機していたバスが直ぐきたので座ることができた・・・

 渋谷からは湘南新宿ラインのグリーンに乗り、快い疲れを感じながら満足して帰った。