熊谷近郊にある宮沢賢治の歌碑

‐ 熊谷短歌会文学散歩(2012.6.7)

 熊谷短歌会の文学散歩に初めて参加した。熊谷近郊の歌碑など短歌に所縁の地を散策するバスツアーであった・・・土屋文明の墓地などを廻ったが、最後に荒川べりにある宮沢賢治の歌碑であった。

徳利と盃を持つお地蔵様
徳利と盃を持つお地蔵様

○ 仙覚の野に座す石仏徳利抱く

     苔むす杯を満たせ朝

 

 熊谷短歌会「第三回文学散歩」に参加しました。そのコースの中で、「仙覚律師遺跡碑」を見学しました。既にバスの中で詳しくご説明を聞いて、その地に立ちました。こんもりと生い茂った木々が、日差しを遮りひんやりとした空気が心地よく、万葉の歌が書かれた展示が遺跡碑を取り囲んでおりました。そんな万葉散歩をしていると、右端の小高い丘に古びたお堂が立っておりました。そこに近づいて行くとお堂へ導く細道の両側に数十体の石仏が座っておりました。現世、人間社会の色々なお姿をした石仏のなかに「左腕に徳利を抱え、右手に杯を持った仏様」が座っておりました。杯は既に苔むしておりましたが、お酒の好きな自分を省みて、この仏様は長い間、お酒を飲んでいないのだろうなあ、せめて朝露で杯を満たせてあげたものだと歌に詠みました。

平成二四年六月十二日  小南 毅

熊谷・秩父地区に残された宮沢賢治の歌碑
宮沢賢治の歌.pdf
PDFファイル 258.3 KB