熊谷測候所の観測史上初の大雪

 日本一暑い熊谷がと言われてきましたが、今年は2回も大雪がふりました。1回目が50センチほどで、その雪が解けきらない内に2回目は63センチの大雪となりました。

 何しろ例年は、たいして雪の降らない地域ですから、雪対する備えはありませんでしたから、物流がストップするし大混乱となりました。

自宅3階のベランダから
自宅3階のベランダから
自宅2階から見た風景
自宅2階から見た風景

 上の写真は、初回の大雪の翌日のものですが、2回目の時は、北国を思わせるような鉛色の空から、もうもうと雪が降ってきて写真を撮り気も失せてしまいましたよ・・・

 それでも、ほっとする出来事もありました・・・私が子供の頃は、現代の車社会とは程遠い時代で、冬の雪道は人が踏んで出来た一本道しかありませんでした。そんな雪道を歩いていて、遠くに歩いて来る人を見かけると互いに少し広い処で待機して道を譲りあったものでした。そして見知らぬ人でも、一言二言の声を交わしてすれ違うのです・・・この間の大雪で車1台しか通れない路地では、車同士が互いに気遣いをし合うという光景に何回か遭遇し、昔のように緩やかに時が流れていた時代を思い出し、ほっとした気持ちになりました・・・ 例によって、その時の備忘録短歌を添付しておきます。

 

○日本一暑き熊谷に雪積みて生きる重みを思いつつ掬う

○スコップを持つ手軽やかに雪はねつ身に沁みつきし哀しき術よ

○故郷を思わしむ程に雪積みて道譲り合う心思ひ出づ

○北国を思わしむ程雪積みて芽吹き恋ひつつ雪解けを待つ

○雪衣纏ひて撓む桜枝の満開に見えて静寂深し

○刻々と朝日昇り来る硝子戸に清しく浴びむと真向いて立つ

○冷え緩み氷柱の拵へしカマキリが竿にすがりつつ朝日浴び居り

○待ちわびし暖気来たりて雪の間に土の香たてて福寿草咲けり