UENO JAZZ INN'17 2017/8/5

 8月5日上野ジャズフェスティバルに出かけた。上野の不忍池の畔にある野外公会堂であったが、8月の長雨が続いて予報は雨であった。お昼頃に上野に着き、長いこと本郷の会社へ通っていたので会場は判っていたが、まずは会場に向かった・・・

 池の畔の映画館の横を通り不忍池へ出た。昔は秋田へ帰る夜行列車の時間調整にこの映画館に立ち寄ったこともあったが、今では新幹線で行けるようになり、そんな必要もなくなった。

 こう長雨が続くと不忍池の畔は、ぐしゃぐしゃのぬかるみとなったが、今ではすっかり歩道が整備され最早とりこし苦労であった。今年の長雨のせいなのか、蓮の花が真っ盛りであった。何十年もの間、上野経由にて本郷の会社へ通っていたのに、不忍池の満開の蓮の花を見たことがなく、改めて感動した。

 公会堂前に行くと20人位の人が並んでいるのを確認して、昼食を食べにいった・・・

お目当ての食事処が混雑していて順番待ちをしたせいもあるが、会場に戻ってみると待ち行列は、会場の裏手の方まで続き200mほどになっていた。おまけに蒸し暑くてたまらず、持って来た折り畳みの雨傘を日傘にするほどに晴れ上がってしまい、雨の予報が外れたのと裏腹に、汗だくで待った。

 熱中症を心配した会場のスタッフが何度も見回り、喉飴などを配ってくれた。息子が熱中症を心配してくれたので、私は列を離れて飲みもを求めに行った。広小路の通りに出たところにコンビニを見つけ、缶ビール2本とお茶を仕入れた。蒸し暑い中をまた歩いた。戻って暫くしてからやっと列が動き出し、会場にはいると運良く前から3列目の席を確保できた。ただ、場内撮影禁止で、ライブの臨場感をお伝え出来ないのが残念だ。

 入場の時にプログラムの印刷されたうちわをくれた。それを見ると会場の正式名称は「上野恩賜公園野外ステージ」であり、通称(水上音楽堂)であった。知らなかった。

 会場には屋根があり日射しは遮ってくれたが、風通しが悪くて早速うちわが大活躍となった。会場中うちわが揺れ動き、汗をかきながらも長年通っている常連さんが多いように見えてジャズフアンとしての仲間意識が湧いてきた・・・

 

 15:30 浅草JAZZコンテスト・グランプリグループ

 16:35 UENO LADY'S JAM

 17:25 抽選会

 17:45 渡辺真知子 with Special Egg

 19:00 守屋純子オーケストラ ゲスト:北村英治(CI)

 

 最初のグランプリグループは、殆どは若手の大人数でエネリギッシュな演奏であったが、どうしても自己主張が強過ぎるよう気がした。何しろ徳島からこの日のために駆け付けたプレーヤーもいたくらいですから無理からぬことでしょうか・・・ボーカルのグランプリは宮城からやって来た。

 審査委員特別賞の高校生のピアノは印象に残った。それが偶然、演奏後に彼女に出会った・・・「また聴かせてください。頑張ってください。」と握手した。か細くてしなやかな手からあんなに躍動的な音が出るのかと驚かされた。 

 アルトサックス纐纈歩美
 アルトサックス纐纈歩美

UENO LADY'S JAM は文字通りの若手女性だけのジャムセッションであったが、アルトサックスの纐纈(こうせつ)歩美さんのライブを聴いた事あった。熊谷の江南のホールに来た時で、その日のセットリストを知りたくて引き返し、一緒に写真を撮らせてもらった覚えがある。

 そんなこともあり、親しみを持って聴いた。

このグループでMCを務めたトランペッター市原ひかりさんは小柄ながら、その響きは明るく新鮮で力強かった・・・ジャズと言えばたばこの煙が充満している薄暗い酒場での演奏をイメージしがちであるが、このメンバーはそのイメージを覆してくれた。でも私は缶ビールを呑みながら、フレッシュなジャズを聴いていた。

 渡辺真知子は、私がまだ若い頃のポップスシンガーであった。まさか、こんなジャズシーンでお目にかかると思ってもいなかった。

 彼女は昔懐かしい江利チエミ、雪村いずみのジャズナンバーを歌った。そして美空ひばりの「りんご追分」の声量は圧巻であった。

やはり美空ひばりは多くの歌手からリスペクトされいるようで「愛燦燦」のジャズアレンジも素晴らしかった・・・

 歳を重ね鍛え抜かれた喉は、益々力強く、彼女は「ジャズを歌うようになって、ここまで歌い続けることができた。」と述懐していたのが印象的であった。

 そして最後に彼女のヒットナンバー「かもめが翔んだ日」を熱唱すると、昔のフアンがタオルを振り熱狂している姿を目にし、背筋がゾクッとした・・・

 守屋純子オーケストラは、多くのプレーヤーで構成されたビッグバンドであった。

このビッグバンドの演奏に先駆けて総合司会から、あのサックスのデビットサンボンに請われてブルーノート東京で共演したパーカッションの岡部洋一さんがゲスト出演する紹介された。岡部さんはベーストークのメンバーで何度もお会いしているので楽しみだ・・・

 小柄な守屋純子さんが黒いドレス姿で登場し、演奏が始まった・・・でも、曲のエンディングの時、ドレス姿でのジャンプには少々違和感を感じた。

 いよいよ岡部洋一さんが登場した・・・とりわけ岡部さんのソロの迫力に会場がどよめいた。ところが、その演奏に刺激を受けたドラマーが頑張り過ぎているように思えた・・・調和を損なうような大音響には、少し残念であった。

  レジェンド北村英治
  レジェンド北村英治

 そしてついにジャズ界レジェンド北村英治が登場すると会場全体がどっと沸いた。何しろ戦後の食糧不足の頃に米軍キャンプでジャズをやれば、コービーが飲めてパンが食べられるから始めたというから、もう72年もジャズをやって来たことになる。同年代の原信夫とシャープス&フラッツのライブを観たことがあるが、二人共日本ジャズの草分けの人物である。

 北村英治さんのクラリネットもまだまだ若い者に負けない優しい音色を聴かせてくれた。ジャズフェスでは、アンコールを受け付けないのが通例であるが、最後のプログラムでもあり北村英治さんがアンコールに再登場してくれた。そしてあのスイングスイングスイングが始まった・・・昔々白黒TVの頃、毎週放映されていたベニーグッドマン・オーケストラがこの曲を演奏したのを聴いた覚えがある。北村さんの想いのこもったこの曲のビッグバンド演奏は、観客全員を浮き立つような好い気持ちさせてくれた・・・

  パーカッション岡部洋一
  パーカッション岡部洋一

 この蒸し暑さに耐えながらも、気持ちの上ではすがすがしい気分になれた・・・

ただ残念だったのはステージ上の岡部さんに気付いてもらおうと何度か立ち上がってうちわを振ったりしたが、それは叶わなかった。

 ところが、私が喫煙所で一服していると、息子がやってきて岡部さんがステージ横にいると教えてくれた。関係者以外立ち入り禁止のテープをくぐって岡部さんに近づくとやっと気づいてくれた。ほんの短い時間ではあったが、岡部さんにご挨拶できて満足できた。

 上野から新幹線で帰ろうとしたが、タイミングが悪かった。せめてゆっくりしたかったのでグリーンに乗りライブの余韻を楽しみながら帰った。