増尾好秋トリオ Our Delight 2017.12.9 

 今日は11月18日の愛宕会の約束を反故にしたお詫びにマドンナを誘った…17時半に蕨駅で待ち合わせ、ライブの前に寿司屋へ行った。以前息子とランチを食べたことがあるが蕨駅から大宮方向に少し戻った所にある。

 今日は息子と三人で入ったが、夕飯には早い時間帯で客は我々だけだった。上握り寿司の大2、普通1にビールを頼んだ…お寿司は美味しかったが、この大は食べきれぬ程で、息子に手伝ってもらった。美味しい味噌汁もついてお値段はお手頃であり、大満足であった…

 ライブが無ければ、そのままお酒を呑んでいたかったのだが…

 マドンナが食事をしながら愛宕会の様子をはなしてくれた…高校の同期は4人しか参加していなかったが、後輩にあたる菅官房長官が出席し、挨拶のあと各テーブルを廻って一緒に写真を撮ったそうだ…記者会見ではいつも原稿を読み上げているので、失言も少ないと思うが、あの「森・計問題の怪文書」発言では実在することが判明し、物議を呼んだ…官房長官に就任当初は、沢山の付箋の付いた書類も持って記者会見に臨んでいた頃を思えば、安倍長期政権が続き慣れてきたようだ…

 ・流行語に森・計のびて「忖度」を国会質疑が大賞たらしむ

 

 級友の話も伝えてくれたが、こちらは少し不快な思いもあったようだ…

 会場時間の少し前に着いたが、次々とフアンがやって来た。今日は満席で3列目の椅子に名前が貼ってあった。その席は部屋中央の柱の後方にあり、右手の壁にはプロジェクターのスクリーン、梁にはディスプレーが設置されていた…Delightのマスターは中々のテクニシャンで、正面左手のディスプレーと合わせて3つにライブの見どころを巧みに切り替えて、映し出してくれる。

 今回は、ハモンドオルガンの鍵盤を天井からのカメラで写し、宮川純さんの指の動きを眺めながらハモンドオルガンの音色を楽しむことができた…

 増尾さんは今春にオルガンの宮川さんと共演して以来、Delightでは二度目のライブだと話した…その時の宮川さんの演奏に惹かれて、今回のライブが実現したという…

 日本でハモンドオルガンのジャズを聴けるところは、ここと中野のライブハウスだけだと思うと話した。今日は、日本一のオルガン・プレイヤーの演奏でオルガンの音色を存分に楽しんで欲しいと語った。 

 そしてジャズ界のオルガン奏者としてジミー・スミスを引き合いにだした…

 ジミー・スミスは、アメリカ合衆国ペンシルベニア州生まれ。ジャズ・ピアニストから後にハモンドオルガン奏者としてソウル・ジャズというスタイルを確立し活躍、B-3という形のハモンドオルガンを普及させた。   特徴的なのは音色(パーカッション)と下鍵盤で演奏する左手でウッド・ベースの音色を出し、多くの後進オルガニスト達が手本にしたという…

   宮川純(オルガン)
   宮川純(オルガン)

 宮川純さんのプロフィールをWebで検索してみた。 

 宮川純は1987年生まれ、愛知県出身。5歳でエレクトーンを始めてからジャズ、フュージョン、ロックなどに傾倒。高校卒業後本格的に音楽家を志し、甲陽音楽学院名古屋校に進学。ジャズ・ピアノを水野修平、竹下清志両氏に師事。在学中より小濱安浩バンドなどでのライヴ活動、nobody knows+、S.B.B.のレコーディングへ参加するなど、名古屋のシーンで徐々に頭角を現という…

 宮川純さんもやはりジミー・スミスをお手本にして腕を磨いていったのであろうか…

   奥平真吾(ドラム)
   奥平真吾(ドラム)

 奥平真吾は、少年の頃にデビューした天才ドラマーですと、増尾さんが紹介した… 

 彼は、1975年僅か9才の時にジャズクラブのセッションにおいてドラミングを披露、少年天才ドラマーとして全国版のニュース番組に報道され一躍時の人となる。

 1977年に初リサイタルを赤坂TBS ホールで催し、1978年、11才の時にデビュー・アルバム「処女航海」をリリースした…

 

 増尾さんは、二人の若手(中堅)プレイヤーとトリオを組んでのライブが始まった…70代の増尾さんから見たら、やはり二人は若手なのでしょうね、彼らを優しくリードしている様子が伺えた…

<1st ステージ>

Time to making a donuts

How insensitive

Walk On By /Burt Bacharach

My ship

Part of the deal /増尾好秋

<2nd ステージ>

Pensativa

The best things for You

Everything I love /C.porter

But not for me /w海老原淳子

Full house

<アンコール>

               In a mellow tone

 

  心地よい増尾さんのギターを包み込むような宮川さんのハモンドオルガンの響きを身体全体で感じた…目をつぶると教会のチャペルの中に聴いているような錯覚に陥った。

 1stステージが終わってから、宮川さんからハモンドオルガンの話を聞いた…

 ライブの度にオルガンを運び込むのかと尋ねると、このオルガンは名古屋で入手し、マスターにお願いしてここDelightに預かってもらっているという。

 更に、スピーカーの上段で回っていた風車のようなものを尋ねると、鍵盤の左側のボタンを押して、風車を速くまわすと音色にビブラートが掛りますよと言いながら実演してくれた…こうしてお話を聞いてみるとハンサムな宮川さんのお人柄に親しみを感じた…

 ハモンドオルガンの仕組みを説明いただき、2ndステージでは梁に取り付けられたディスプレーで鍵盤の上を走る宮川さんの指の動きを興味深く眺めた。 

 この写真は、奥平さんが若い頃に新宿にあるライブハウス「PIT INN」で撮られたもの。

 若き天才ドラマーとして自信に満ち溢れているようですね…

 それから30年位はドラムを叩き続け、腕に磨きをかけてきたのでしょう。今日も自信に満ちた演奏を聴かせてくれた。

 しかし、大ベテランの増尾さんとの共演に少し張り切り過ぎているように感じた…

 このライブハウスの音響効果のせいもあるだろうが、増尾さんの繊細なギターの音色を潰しているように思え、もう少し抑えたドラミングの方が、好かったように感じた…

 増尾さんは、2ndステージの最後の方で彼のバンド「まがたま」のヴォーカル海老原淳子さんを紹介した…私は18日の「鈴木良雄&増尾好秋」のライブでの増尾さんのスキャットを思い出し、「増尾さんは歌が上手いよ」とマドンナに話した。

 今日は海老名さんの車で連れてきてもらったと話し、スペシャル・ゲストとして歌ってもらいますと「But not for me 」を始めた…そして増尾さんも一緒に歌い出した。増尾さんはアメリカで暮らしているが、我々には解り易い発音で、その歌に聴き入った…

 増尾さんは、アンコールに応えた後、これが日本での最後のライブで数日後にアメリカに戻りますと結んだ。来年、また増尾さんのライブを聴きに来ますと挨拶し、一緒に写真を撮らせてもらった…

 今晩はマドンナも大満足だったようで、「愛宕会と息子に只々感謝します」とショートメールが23時過ぎに送られてきた…