女子高との同期会(本郷)

 この写真は同期会を私が勤めていた文京区本郷の会社の施設で行ったときのものである。この会の始まる前に手話のボランティアをされている北高卒の高橋女史に「手話の講習会」の講師をお願いした。身障者雇用促進法ができて会社もそれに取り組むことなり、私の事業部で初めて身障者を受け容れることとなった。私は面接の段階からかかわり喜んで受け容れたら、案に違わず優秀な人物であった。ただ耳が不自由なため会話が難しい状況であったが、部下も積極的に彼と接してくれたので直ぐにみんなに溶け込んでくれた。そんな背景の中で「手話の講習会」をお願いしたら沢山の人が参加してくれた。彼女には単に手話だけでなく、身障者に接する優しい気持ちまでも伝えてもらった。

 彼は耳が不自由であったが、神様は彼に集中力という贈り物をくれた。私がシステムを設計し簡単なブロック線図を示し、あとはメールでのやり取りだけでシステム要件を理解して、並外れた集中力で開発に取り組み健常者の3倍位のスピードでプログラム作成した。しかもバグ(不具合)はなく、想定されるテストケースは全てチェック済として仕上げてくるのである。私は彼の能力にほれ込み、彼とのコンビで数多くの社内業務システムを開発した・・・彼はグループウェア・ノーツを使った開発能力に優れ力を発揮したが、中でも”360度人事評価システム”に思い出が多い・・・私の会社は親会社の合併に伴い情報処理部門の統合も繰り返し行われた。やはりそれぞれの会社により人事評価の基準に微妙な差異があり、その統一の必要性に迫られていた時期でもあった。360度評価は、従来の自己評価と上司評価に加え部下からの評価と同僚からの評価ができるようなシステムである。上司以外の評価者は人事担当役員がメールにて各人に依頼する仕組みであり、そのセキュリティは高いレベルで保持できた。

 本題の同期会であるが写真のように大規模なものではなかったが、同期会に初めて参加してくれた珍しい人物がいる。それは鈴木氏で皆から親しみを込めて”裕ちゃん”と呼ばれていた。彼は英語が好きで、当時旺文社の赤尾の豆単は悉く暗記できており、私に英単語の競争をしようと言ってきたのを覚えている。ただ高3の選択科目で赤点をとり先生に呼び出されたと言っていたが、先生も自分の授業をないがしろにされたことにご立腹なされたのであろう。彼はそのご外語大へ進みイタリア語を専攻し、卒業後大手旅行会社のイタリア駐在をしていると聞いたことがあるが、現在は予備校の講師として全国の出張講義に飛び回っているようだ。なかなかの人気講師であるらしく、土日の休日は家にいたことがないと言っていた・・・この会以来、我らの”裕ちゃん”に逢っていない。